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本に関わる仕事をしてます。本たくさん読みます。

実は面白い東京都知事、都政の本(石原慎太郎氏、猪瀬直樹氏)

総理大臣よりもある意味で権限が多いとも言われ、「日本の大統領」とも言われる「東京都知事」。都知事の出している都政(行政)の本をまとめます。

また、戦後で8人しかいない都知事、最近の話を中心に見ていると主に石原慎太郎氏、猪瀬直樹氏の特集になってしまいましたが、この2人、作家なのです。作家が、自分が体験したことを書くのだから、面白く無いはずがないし、実際読み物としては相当楽しめました。そう、実は都政に関する本って、読み物として面白いんです。

特段お二人のアンチでなければ、ぜひ主人公に没入いただくことで「俺最強!」感も味わえる読後感のよいノンフィクションがあります。

ドキュメント副知事――猪瀬直樹の首都改造・一八〇〇日:西条泰:本

 

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猪瀬直樹氏が知事選に立候補し、ある意味でタイムリーな本である。

ただ、本書は、氏の仕事について、筆の立つ本人ではなく、TV記者の取材から生まれた本であることに価値がある。

氏の仕事というのは、結果よりも、その過程の方が面白い。

猪瀬直樹氏は、残念な辞任の仕方となってしまいましたが、副都知事の時は割と期待できるプレイヤーだったように覚えています。実際、あらゆる事業や事案を素早く片付けながら、上手に石原慎太郎氏の女房役を努めている様を読み、都政または国政は、惜しい人を退場させたとも思ってしまうところ。

東京の副知事になってみたら(小学館101新書):猪瀬直樹:本

 

気になったレビュー

すさまじい調査力を持つ作家としてもすごいが、政治家としても規格外のエンジンを持っている猪瀬直樹に、本書を読み、改めて驚かされた。

「悪い」と思ったら、都職員だろうが参院職員だろうが官房副長官補だろうが「冗談じゃないよ!」と、「お上」感を丸出しにする人間には手厳しく対応する。

就任早々さんざん問題になっていた豪華な議員宿舎計画をぶち壊して以降、水道運営ビジネスを立ち上げ、自治体で最初に夕張市に職員を派遣し…と巨大機構の中で、よくもまあ次々と課題を見つけてくるもんだと感心した。

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惜しい人を退場させたという印象があるが、行政マンとしては一流でも、政治家としてはスコアが足りなかったということも、事後としては痛感させられるところ。自伝として大目に見ても、作家ならではの本をぐいぐい読み進ませるところは流石なので、誤読感は爽快なものですよ。

東京革命わが都政の回顧録:石原慎太郎:本

 
石原慎太郎氏は、猪瀬直樹氏よりもっとアンチも多く賛否両論といったところがありそうですが、競争率高い都知事選において4期連続当選を果たすところは実績十分で、当時の感覚としても「良くも悪くも進む」というところ。実際、財政面の健全化や、カラス退治に至るまで、評価されている事項はあると思います。

国家なる幻影〈上〉―わが政治への反回想(文春文庫):石原慎太郎:本

 

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文士石原慎太郎はベトナムでみた危機的状況下での知識階級そして国民の「無関心」をみ、我が国に同様の危機を感じ「政治家」となった。

その石原氏が実際に政治に飛び込み格闘した「政治」の本質、人間、そして数々の事件を25年間の国会議員としての活動を通して記した「記録」。

我々が断片的にしか知り得なかった数々の事件や事象、そして自らが当事者として当たった案件、政治家生活で知り合いすれ違った多くの知己につき、克明に記されており、読者の興味は尽きない。

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都知事選に4期連続当選(それも、開票時にほぼ確定)するほどの男は、東京都知事になる前から国政でも賑やかにしていたわけですが、少し前に出た本で絶版の様子(Kindleで読むのが現実的な手段)。それにしても作家が書くんだからずるいと思うわけです。面白い。Kindleで読んで下さい。

都知事―権力と都政(中公新書):佐々木信夫:本

 

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力作です。

タイトルは「都知事」ですが、本書のカバーしている範囲は、都知事にとどまりません。

東京都庁の全容を明らかにしようとする1冊です。

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こちらは都知事が書いた本ではなくジャーナリストによる本ですが、石原都政を客観的に描きながら、東京都知事の権限の大きさ、組織の大きさを描きます。都政を語るとき、この要点が外せないんですよね。「日本の大統領」といわれる東京都知事とその行政を丁寧に描きます。

東京を変える、日本が変わる:舛添要一:本

 

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東京を変えればも日本も変わります!悪い方向に!素晴らしい!是非とも消えてなくなって頂きたいハゲですね!。

このブログでは、特定の政治指向を述べるつもりはないし、本が面白ければ面白いということで評価をしていきたいのですが、今の都知事の本がでているよ~とのことでまとめました。下馬評ではレビューがお察しなのですが、「東京を変えると日本が変わる」というのはまさしくその通りと思っていて、ぜひその視点を良い方向に導いて欲しいなとつぶやくところ。少なくとも、東京が商圏の人というと大げさだけど、都市計画に携わる人は立ち読みしておきたいですね。あっもう書店には並んでないので、Kindleですかね。