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【面白い世界史】考察系の世界史本でおすすめ8選

世界史の本っていくつかジャンルあります。世界史マニアが唸るような「ルイ14世のことがとてもよくわかる本」みたいなコアなものもありますし、単なる「分かりやすく世界史を学ぼうぜ!」という本もあります。

実は私は歴史にそこまで詳しくないとは自負しているものの、そんな私でも、これぞ面白い世界史である!とも思えるカテゴリーを勝手に名づけておりまして、「考察系の世界史」と呼んでいます。今日は、「考察系の世界史」から8つを紹介します。

文庫銃・病原菌・鉄(上)1万3000年にわたる人類史の謎(草思社文庫):ジャレド・ダイアモンド,倉骨彰:本

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西洋人にとっての人類史の探求とは、西洋人が他民族を支配する大義名分、つまり遺伝子や文明における優位性を証明する目的だった、という衝撃から始まる。幸い、無事失敗に終わったようだ(汗)。西洋人学者たちは「おお神よ!」と叫びたくなっただろう。が、アジア人としての自分が、今、感謝をもって同じセリフを叫びたい(笑)。

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出展
この本、このブログに到達するような人であれば読了済みの人が多いと思うのですが、すみません、ピックアップさせて下さい。「なぜアングロサクソンが世界を席巻してるの?」「それは大陸が東西方面に伸びたか、南北方面に伸びたかで運命が決まったからだよ」そんな本です。

文明崩壊上:滅亡と存続の命運を分けるもの(草思社文庫):ジャレドダイアモンド,JaredDiamond,楡井浩一:本

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前著の"Gun,Germs,andSteel"は、人類文明の発展度合いに格差が生じた原因を地域特性や環境をキーに判りやすく説明した大作で、初めて知ったことが多く非常に感銘を受けたが、本著では逆に人類文明の崩壊がテーマとなっている。

上巻ではイースター島やバイキングのアイスランド等における過去の文明社会の崩壊の要因が、人類による環境破壊、気候の変化、敵対文明の登場など共通性があることが描かれており、実に興味深い。

その一方で、同様の危機に直面しつつも、環境に適応して生き延びた社会の事例も紹介される。

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出展
「文庫銃・病原菌・鉄」を読んでこちらを読んでいないなら、読んで欲しいのです。結論は「銃・病原菌・鉄」のほうが衝撃的だし知っておくべきとも思うのですが、それはまとめサイト等で読んでもよくって、読書としては私はこっちのほうが面白いと思う。江戸時代の日本のことも書かれており、ここはゆっくり読みたい。また中国やグリーンランドの今日を思い馳せる章もあり、章ごとの独立性が一層、読書快適さにもつながっているのかも。

金融の世界史:バブルと戦争と株式市場(新潮選書):板谷敏彦:本

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この時期、英気を養い、知識の引出しを増やしたいビジネスパーソンにとって最高の「夏の友」であると思う。

この分野、コンピューターやネットの発達、金融工学の高度化によって、専門家ではない私には、興味があっても、少し近づき難い感じだったが、目を開かれた思いがする。

各時代の政治・戦争・経済・生活といった関連した分野(素材)を巧みに切り取り、金融という仕組みで串刺しにして、豊富なデータ、丁寧な解説と身近なエピソードでバランス良く味付けした見事な料理となっている。

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出展
16世紀以降の金融を中心とした世界史が描かれています。これは、「銃・病原菌・鉄」で問題提起されている「なぜアングロサクソンが世界を席巻しているの?」に対する金融側面からの回答であり、なおかつ読みやすく、隠れた名著と感じます。

世界を変えた10冊の本:池上彰:本

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自己主張をしない代わりに対立構造を打ち出す事に事により読者に決めさせるのは、いつもの池上さんのやり方。

例えば第十章のフリードマンの『資本主義と自由』に対して、「彼の理論は、最初は驚きますが、その理論を筋立てを追って行くと、なるほどと頷くことも多々あります。

その一方で、私は『強者の論理』であるという印象を拭い切れません。

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出展
確かに、ジャレド・ダイアモンド氏の本(「銃・病原菌・鉄」「文明放棄」)もね、長いんですよ。上下巻ですし。一方で、世界の中の主要論点を抑えておこうと思えば、この本は、大変薄く、2時間あれば十分読めて、字も大きく、行間も大きいときた。池上彰氏のわかりやすいお話はするすると頭に入る。これを読んで、改めて知識欲に燃えた時期があったと言っても過言ではありません。
ある日のことを思い出しますが、「歴史に興味がある。おすすめの本はないか?」と友人に聞かれたとき、ドヤ顔で「銃・病原菌・鉄」をおすすめしたのである。歴史に興味があってこれ読んでいないなら、一読に値するし、きっと異論も少ないとは思うが、その後読了の報告はなかったのです。彼の正確な依頼内容は「歴史に興味をもちはじめた。」ということだったので、だったらこっちをオススメしてたよ、と。今思い返すところなのです。

疫病と世界史上(中公文庫マ10-1):ウィリアム・H.マクニール,WilliamH.McNeill,佐々木昭夫:本

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絶版になっていたハードカバーを何度も読み返しています。

著者のジャンルを超えた該博な知識にも驚かされますが、やはり専門家の目というのはすごいもので、自分の専門分野の事実をもとに、人類史まで読み解いていきます。

その過程がとてもスリリングで面白くて、挙げられた文献をもとに自分でも思わず調べたくなるような、好奇心をとても刺激される内容になっています。

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出展
大変面白いと評判で手に取りました。これも、読み込みすぎると年末年始終わるレベルなのですが、読書中の没入感、読後感の爽快さがたっぷり得られる良書です。

侵略の世界史―この500年、白人は世界で何をしてきたか(祥伝社黄金文庫):清水馨八郎:本

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西洋中心の、発展し進歩していくという世界史像に染まった日本の教科書等の世界史記述は、どうみても西洋中心史観以外の何物のでもないと思っていました。 それを打破し、はっきりと白人主導で破壊され、それに対して苦闘防戦してきた他のアジアや新大陸の人々の側も含めた世界史像を、初めて明確に打ち出していると思います。

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出展
日本人こそこれを読んでおきたい、いかに世界が過酷なものかということを。というか、白人ひどい!こわい!なんなら、やはりこれを意識したうえで、70年前に終結した大戦についてやっぱりあれはやらないといけなかったものなのかなぁと。どのみち、侵略されていたのかなぁなんて思いを馳せるところであります。あの時代、中国も列強諸国に吸い尽くされてたし。自分の持っている僅かながらの知識とも答え合わせをしていくことで、思考が深まる本。

帳簿の世界史:ジェイコブソール,JacobSoll,村井章子:本

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本書は資本主義を支える複式簿記の発展を学べる経済歴史書です。

以前から感じていた、次のような疑問に答えてくれました。

・なぜ、複式簿記は借方と貸方を記載するのか?・なぜ、同じデータを記録帳、仕訳帳、元帳に記載するのか?・なぜ、商業簿記と工業簿記があるのか?・なぜ、粉飾決算を見抜けるのか?・なぜ、ベネチュア人の発明した商業簿記がヨーロッパに普及したのか?・なぜ、英国の産業革命がヨーロッパでに伝搬したのか?・なぜ、株式市場が成立するのか?英国の鉄道網の整備ができたのは、先行投資に対する回収の根拠を明確に説明できたからだそうです。

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出展
内容の圧巻さもさることながら、テーマごとに問が投げかけられるスタイルの本なので、なかなか読みやすく知識も手に入る。善良のもと使えば公平・公正な会計手法が、そうではない人々の手にかかることによって曲がってきた世界の歴史ともいえるし、または、不正会計に対処するために思考されてきた歴史ともいえる。会計雑学にとどまらない、世界史考察欲が満たされる一冊です。

ビジュアル1001の出来事でわかる世界史:ダン・オトゥール他,ナショナルジオグラフィック,ジャレド・ダイアモンド(序文):本

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まさしく読み見る世界史。

世界史はきちんとやったことがないので時々日本史の出来事で箸休めしたいのだが最初に出てきたのは600年の聖徳太子による世界最古の木造建築法隆寺の建立。

で、ずーっとずーっとっ進んで次は1672年の松尾芭蕉の句集『貝おほひ』の刊行である。

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出展
世界史って、固有名詞が多いのですよ。だから苦手な人の気持もわかる。ヨーロピアンなネーミングとか、全部同じに見えてくるし、登場人物覚えられないですよね。だからこそ、こういうグラフィカルなものは手に置いておきたい。世界史×グラフィカルだったら、これかなぁと。(宇宙のビッグバンとか恐竜時代から遡るなら、また別にあるけれど。)