BOOKUMA的おすすめ書籍ランキング

本に関わる仕事をしてます。本たくさん読みます。

アフリカビジネス、BOPを理解するオススメ本

21世紀はアフリカの世紀とかつて言われていましたが、当面は底辺層とのインドやインドネシア等がBOP(ボトム・オブ・ザ・ピラミッド (Bottom of the pyramid))の主役になりそうな予想もあります。とはいえ、最後のフロンティアとも呼ばれている大陸の動向は、教養としても常にチェックしておきたいもの。 私はアフリカに行く用事は当面無さそうなのですが、ビジネスチャンスにはワクワクしますし、現地で頑張っている日本人の話も元気がでます。そのような本を集めてみました。

アフリカ苦悩する大陸:ロバートゲスト,RobertGuest,伊藤真:本

 

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アフリカがどうして発展できないのかという問題を、南アフリカ駐在のジャーナリストが細かに書いた本。

私のようなアフリカに対する知識ゼロの人にもわかりやすいように、非常に細かいところまでやさしく書かれている。

特に著者の専門でもある経済的な視点からの切り口はすばらしい。

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出展
2008年の本ですが、現在も活きている内容の深さ。すなわち、賄賂を中心とした腐敗した政治、道路が整備されないので物流の発展も困難、耐えない民族対立など、アフリカの問題点を浮き彫りにしています。

プータロー、アフリカで300億円、稼ぐ!:石川直貴:本

 

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話としては面白いが、具体的なアフリカでの仕事の中身が分からない分実感がわかなかった。アフリカという市場の魅力に関しては伝わってくるものがあったが、やはりそもそもアフリカという場所を良く知らない僕として理解力が不足していたということか。

出展
信憑性の薄さは指摘されているのですが、それを補ってあまりある「アフリカンビジネスのあるある集」は、臨場感が伝わってきます。賄賂、盗難、逮捕などを通じ苦難を重ねた末にビッグチャンスをものにしている様は、BOPビジネスの疑似体験が味わえます。

日本人ビジネスマン、アフリカで蚊帳を売る:なぜ、日本企業の防虫蚊帳がケニアでトップシェアをとれたのか?:浅枝敏行:本

 

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農薬を得意分野のひとつとする住友化学が開発したポリエチレンの殺虫剤練り込みの蚊帳「オリセット」。

そのひとつの工業製品に関わった方々とWHO推奨製品として、そしてその後に小売として市場に販売展開するストーリー。

人道的な意味合いと、アフリカが市場という特異性がトピックメイキングな内容であるが、開発から企画、製造、そしてマ-ケティング、販売にいたる紆余曲折をともなう、艱難辛苦のプロジェクト遂行とその成功物語に際立った目新しさはない。

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出展
アフリカビジネスといえば、上述の通り「危険が伴う」と言われていますが、日本らしいプロファクトを普通に流通させた事例として参考になります。キャッチーな書籍タイトルとは裏腹に、普通に高い水準のビジネスオペレーションをアフリカで展開した、という話であると理解をしています。つまり、時代は進み、アフリカンビジネスとはすでに、危険を犯す冒険者のものではなくなってきている、とも理解をしました。

裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記(講談社BIZ):山口絵理子:本

 

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この人ほんとにすごい。

心から応援したい。

こんな日本人がいることが嬉しい。

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出展
少し前の本なのですが、そしてアフリカビジネスではないのですが、舞台はバングラディッシュ。主役は女性。BOPビジネスにおいて身ひとつで飛び込むサクセスストーリーは爽快なものですが、やはり「プータロー」の例と同じく、日本ではありえない様々な困難に衝突します。ビジネスノウハウ、ビジネスのヒントを探る本というより、彼女のパワフルな活動から元気をもらう本です。

池上彰のアフリカビジネス入門:池上彰:本

 

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内容見たら、アフリカの今後の経済動向が、良くなると思い。

FXのアフリカランドを、購入しました。

出展
池上彰氏のビジネス本は、内容が簡単すぎて情報が断片的だったり、時に期待はずれもありますが、みんなが無知なアフリカビジネスの類いとなるとやはり本領発揮でしょうか。なかなか評判がよいのです。

BOP超巨大市場をどう攻略するか:小林慎和,高田広太郎,山下達朗,伊部和晃,野村総合研究所:本

 

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アジア、アフリカ、南米には、必死に生きている何十億というBOPの人たちがいる。

彼らには、Japanブランドの高級高額な商品を購入できるだけの購買力はない。

しかしながら、彼らは、よりよい生活を求め、日々必死に成長を続ける、活力あふれる、膨大な数の購買層なのである。

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出展
携帯電話、テレビ、自動車にバイク、年収30万円未満のなかBOPと呼ばれる低所得者層が揃って持っているアイテムであります。この書籍は、現地で活躍した日本人の話というよりは、BOP自体のことを知るに十分な取材を重ねたうえで編集されている「入門書」といっていいのではないでしょうか。「百聞は一見にしかず」とはいうものの、アフリカに行く勇気も用事もない私達は、先んじて調査に出向いた日本人にリスペクトの念を抱きつつ、明日のBOPビジネスに思いを巡らせるところです。

謎の独立国家ソマリランド:高野秀行:本

 

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ルポルタージュといってもいいし、探検記といってもよい。

冒険・政治経済・安全保障・国際問題・民族問題・海賊問題などさまざまなテーマが詰め込まれ、500ページほどの本がすいすい読める。

崩壊国家として名高いソマリアを北から南下。

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出展
ソマリランドという独立国家があり、日本人には全く知られていないのだが、ノンフィクション作家として著名な高野秀行氏が体当たりで研究・取材のうえまとまった一冊。各所でレジェンド的な扱いを受けている一冊。ソマリランドという断片的な視点からではあるものの、アフリカの人々の価値観や生活様式、文化・思想も少しずつ伺える良書です。小難しいことはなく、没入できるほどの筆の軽さも、魅力的な本。

世界の辺境とハードボイルド室町時代:高野秀行,清水克行:本

 

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たいへん面白く読みました。

知的好奇心を満たしてくれました。

辺境を取材するノンフィクション作家と日本中世を専門とする歴史学者の対談本。

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出展
室町時代の専門家である清水克行氏、この人も相当おもしろい人で、別の本も読んだことがありますが、軽快なタッチで当時の様子を推し量ることができる深い内容に、私なんぞが浅いボキャブラリーで表現すると「目からうろこ」。さてそんな清水克行氏と、ソマリランドの高野秀行氏が、「室町時代の人々と、ソマリランドの人々、似てるよね」と何かの拍子で意気投合してしまったのだから、これは面白く無いはずがない、というような本が出来上がったわけです。
私達からするとアフリカ人って異次元、異星人に思えてしまいますが、一方室町時代の人々なら当時の野蛮な行為も少しは理解できるところ。日本人の価値観を手がかりに、アフリカ人の思考回路を探る、良書です。